国語力って、一体なんなのでしょうか?
無料の教材もあまりないし、国語力、読解力が育っているかどうか、パッとみて分かりませんよね。算数の計算ほど単純ではありません。
国語の文章題の問題を解かせても、途中で「分からない!!」とイライラされるし、どうやって勉強させればよいか分かりません。このように、読むのが嫌いな子は、国語力をアップさせることはできるのでしょうか?
日本の小学生の9割が、教科書を正しく読めていない
「AI VS 教科書が読めない子どもたち」(東洋経済新報社)の著者 新井紀子氏
つまり、ほとんどの子が国語力がないのです。悩んでいるのはあなただけではありません!!
そこで、この記事では、国語力と読解力を上げるための、効果的な勉強法をまとめました。
Youtube「佐藤ママチャンネル」や、国語力アップのための教育本から抜粋したおすすめの勉強法を紹介していきます。
国語が得意な人、苦手な人では、全く別の方法で教えていくので、違いに注意して見てみてください。
結論としては、
- 国語が得意な子、ひたすら読書へ誘導
- 国語が苦手な子は、親が文章やストーリーを読んであげる
- 書写で文章構成をたたきこむ
ということを大切にすると、国語力や読解力を大幅にアップさせることができます。
勉強のコツが分かれば、子どもの国語力をアップできます。この記事を読んで、苦手を得意に変えてあげてください。
国語が苦手な理由、得意な理由を教えて?子どもをしっかり観察しよう
まず、子どもが国語が苦手なのか得意なのか知る方法があります。
それは、「読書」が好きかどうか。
- 活字の本を読むのが好き
- マンガを読むのが好き
- 絵本を自分で読む
まず、「自分から読む」ことができていれば、国語が得意なタイプと判断することができます。なぜなら、我慢強く国語の問題文を読むことができる能力が育っているからです。
そして次にチェックするべきは、文章の内容を理解しているかどうか。
- 飛ばし読みをしていないか
- ストーリーの内容を正しく読み取れているか
これらをチェックしていきます。
チェックする方法は簡単。読書をしたあと、どんな内容だったかインタビューしてみます。
親でも内容が分かっているような、有名な昔話などから始めてみるとよいです。
読書が好きで、内容も正しく理解できている子は、かなり国語力がついているといえます!!
反対に、「とにかく読書を嫌がるタイプ」の子は、マンガでも絵本でも読むことに抵抗します。国語の問題文を解こうとすると、意味が分からずにイライラしてしまいます。
一生懸命、市販の文章問題をやらせていましたが、子どもがイライラするばかり・・・それには理由があったんです!!
読書が嫌いな子は、「語彙が少ない」つまり、分かる言葉の数が少ないのです。読んでも意味が分からないので、本が楽しくないのです。そういう子がいきなり問題を解くことはできません。
国語が得意な子に育てるために大切なことは、いっしょに読書する機会を増やすこと!!
スタートは絵本でもマンガでも図鑑でも何でもよいので、親がストーリーや言葉の解説をしながら、内容を理解して語彙を増やすことから始めてみましょう。
スマホ世代の落とし穴!!子どもと会話をしていますか?
語彙力が少ない原因として、まず第一に考えられるのが、親子の会話不足です。
例えば、一般的に高学歴・高収入と言われる家庭では、その子どもも頭が良いイメージがありますよね。それは、普段の会話の内容が専門的であったり、たくさんの語彙を使ったレベルの高い会話をしているからだと言われています。無意識で、そのような会話がかわされているのです。
一方で、2018年に江崎グリコが行った調査では、子どもと過ごしているときにスマホを見ていることが多く、子どもとの会話が減っていることが分かりました。全体の20パーセントが、子どもとの会話が1日30分未満だったのです。
子どもと一緒の空間でスマホを見る親(84%)
国語の教科書を正しく読めない子ども(90%)
この数字は関係性がありそうですね。
あなたは、子どもと過ごすとき、意識的に会話をしていますか?季節の言葉などを織り交ぜながら、話ができていますか?もし出来ていなければ、そこに落とし穴があります。
語彙力アップのために、今日からもっともっと会話を増やすように心がけましょう!!
読書が好きかどうかは、子どもの環境や、育て方に左右されない
読書を好きになってもらうためには、本に触れさせることが大切でしたね。そのために、小さい頃から絵本の読み聞かせをして、本の楽しさを知ってもらう必要があります。
基本的には、毎日の絵本の読み聞かせで「本好き」に育てることができます。この定番タイプに当てはまればしめたものです。親の努力さえあればどうにでもなるのですから。
しかし、小さい頃から絵本の読み聞かせをしても、読書を好きになってくれない「先天的読書嫌いタイプ」がいることが分かりました。
我が家では寝る前の30分は、絵本読み聞かせの時間にしてきました。10年も続けてきています。そのかいあって、長男は本の虫。小学校に上がってからは自分で活字の本を読むようになりました。
しかし、長男と同じ条件で毎日絵本を読んであげたのに、全く成果が出なかったのが次男です・・・。
絵本、マンガ、図鑑、活字の本・・・小学校に上がっても自分からすすんで読もうとしてくれません。確かに、赤ちゃんの頃からそんなに絵本が好きではなかった。
このことから、必ずしも、子どもが読書を好きになるかどうかは、家庭環境に左右されるものではないということが分かりました。生まれ持った脳の作りや気質によって、ある程度の差があるのだろうと推測しています。
「先天的読書嫌いタイプ」の子は、本を読まないので、語彙力が育っていないかもしれません。国語好きになってもらうためには、あるテクニックが必要です。
国語力がある子は、とにかく読書に誘導する
小学校に上がって、自分で本を読むことができるようになった子は、国語力がアップする大きなチャンスがあります。伸びしろが無限大なので、とにかくたくさん読書ができるように環境を整えてあげましょう。
- 定番の人気本から買いそろえる
- 図書館で年齢にあった本を借りる
- 電子書籍を使う
家の本棚が広い人
本屋さんの人気ランキングから、子どもに好きな本を選んでもらう方法が一番ワクワクしますね!定番の人気本なら子どもがハマって読む可能性が大きいので、楽しく続けられます。ただ、家の本棚が広くて、本の置き場所がある人限定!!
家がせまくて本が置けない人
私のように、家がせまくて本が置けない!!という方は、図書館を利用するのがおすすめ。子どもを連れていくと、喜んで本を選んでくれますよ。また、ネット予約システムを利用して、人気本を予約しておくと効率がよいです。
図書館の冊子に、子どもの年齢別おすすめ本が書いてあるので、順番に借りていきましょう。
本選びがめんどうな人は電子書籍を使おう
図書館を利用し始めると、毎週のように重たい本を借りて返却を繰り返さなければならず、疲れてしまいます。休みの日は図書館通いが定番になります。
それはちょっとめんどう・・・という方におすすめなのが「電子書籍」
私は、図書館通いと並行して、子ども向けの電子書籍を使っています。本選びをサボりたいときには、「電子書籍読んでおいて~」というだけ。家に本がないときでも、読書を継続できる強い味方です。
私が利用している電子書籍はこれ
「先天的読書嫌いタイプ」を育てるテクニック!!国語嫌いにさせず、語彙力アップさせる方法
本を読むのが苦手な子は、自分で字を読んでも理解できません。
「こんなにたくさん字があるのは読めない~」と、幼稚園向け絵本を見ながら言うしまつ。
しかし、読むのが苦手な子でも、テレビだとよく見ていませんか?
つまり、ストーリーを聞くことは好きなんです。読めなくても、お話を聞きたいと思っているんです。
いつか自分で読むことに抵抗感を感じなくなるまで、小学生向けの本でも親が読んであげることが大切です。ストーリーにわくわくして、「本が好き」という感覚を育てることができます。
そうして、本に出てくる言葉やストーリーを解説しながら一緒に読んでいくことで、自然と語彙が増えていきます。
小学校で、教科書を通して難しい文章を読むトレーニングはしているので、少しずつ自分で読めるようになっているはず。
子どもに読書させることこだわらず、子どもが好きそうな本や人気本を親が選んであげて、毎日読み聞かせをしてあげましょう。本を聞いているだけでも、「語彙力」がアップして、国語力が上がります。
いくつになっても、読み聞かせをしよう!!
もうすぐ3年生になる次男ですが、自分で読むことが嫌い。かいけつゾロリシリーズなど、特定の本は大好きなのに、他の本を読みたがりません。語彙力なく、文章題にもつまずきがち。
時間を決めて、強制的に読書をさせようとしましたが、むしろ読書嫌いに拍車がかかるだけ!!悩んだ挙句、赤ちゃん~幼稚園レベルの本から、私が読み聞かせるスタイルに変えました。読み聞かせなので、本は私がチョイスすることもあるし、次男が選ぶこともあります。
すると、分からない言葉が出てくると、質問してくるようになりました。そして、ストーリーを楽しめるようになり、本が好きになってきたようです。語彙力も自然とアップし、何百冊という絵本のストーリーや構成が、彼の引き出しに蓄積されていくのです。
いつか必ず、自分で読めるタイミングが来るはず。その時のために、「本が好き」という感覚を育てていきたいと思っています。
お母ちゃんとあったかい布団で、絵本を読んでるのが一番幸せ♪
と言ってくれます。読み聞かせしてもらった声は、いくつになっても心の中に響いてくれるんでしょうね。
でもでも、毎日読み聞かせなんてできるかなぁ~めんどうだし、家事が忙しいし・・・
たった数年の読み聞かせなので、子どもとの時間を優先しましょう!
でも、ズボラな親のための、もっと簡単な方法を教えちゃいます。
目からウロコ!!テレビの力が語彙力を増やす?!
先ほど、語彙力の低下は、家庭での会話不足が原因という話をしました。
「国語の成績は観察力で必ず伸びる」の本には、国語が得意な子はテレビ好きであると書いてあります。
テレビから永遠と流れてくる言葉のシャワーを浴び、映像と言葉とのつながりを見ることで、自然と語彙力をつけることができていたのです。
テレビを見すぎると良くないっていう意見もあるし、時間制限していたけど、ある程度なら見させてもいいのかな~
読書がハードルが高いのであれば、親子そろってTVを見て感想を言い合ってみてはどうでしょうか??
それならすぐできるわ!!
次の章からは、国語の成績を上げるために大切な3つの力を育てる方法をまとめていきます。
- 語彙力
- 読解力
- 文章力
それではひとつずつ見ていきましょう。
国語力をつける勉強法①語彙力と読解力をアップさせる文章問題の教え方
読書ができて、内容も理解できる子であれば、国語の文章問題にチャレンジしてみましょう!!
国語の文章題は、無料教材もあまりないので、市販の教材を買ってトレーニングするしかありません。なるべく簡単な問題から買って、子どもの「できた!!」という感覚を増やしてあげてください。
国語の文章題を解くコツは、問題文の中から「キーワード」を見つけてくること。そのキーワードが文章中に出てくるので、その周辺に答えがあるよ、と言いながら一緒に線を引いていきます。
子どもは文章を読んでいるようで読んでおらず、理解ができずに問題が解けないことが多くあります。そんなときのための指導法を、子どもが東大に4人入学した佐藤ママのYouTubeで解説していましたので、参考にしてみてください。
- 親が文章を読みこんで、内容を子どもにしっかり伝えてあげること
- 問題文の出典元の本の内容が分かれば、前後のストーリーも話してあげること
問題を読むのが苦手な子でも、親が読んで内容を教えてあげることで理解することができるんですね!まずは子どもが問題を解いてみて、分からなければ親がストーリーを掘り下げて解説してあげましょう。
親が内容を読んで教えちゃうなんて、タブーだと思っていたので、目からウロコ!!いままでは、「自分でちゃんと読みなさい!」なんて怒っていたな・・・。
国語力をつける勉強法②読書のあと、感想をインタビューすると読解力アップ
読解力アップのためには、子どもが読書をしたあとに、感想をクイズ形式で聞いてみるのがおすすめです。
低学年なら、「〇〇くんはどんな気持ちだったんだろうね?」と、正解のない問いかけをしてあげるだけで、自分の言葉で感想を言うトレーニングができます。
高学年なら「50文字以内で感想を言ってみて」「1分以内でスピーチしてみて」など、ゲームっぽく感想を言ってもらうと、要約のスキルをアップすることができます。読解力アップは、文章力にもつながってきます。
国語力をつける勉強法③文章力を鍛えるには書写がおすすめ
読解力が育っていても、自分の考えをしっかり言葉で表現する「文章力」がないと、国語の文章題は解けませんよね。
文章力、つまり書く力を鍛えるのにおすすめな方法が「書写」です。
一番簡単にできるのは、新聞の書写です。
小学生新聞などの記事を切り抜いて、ひたすら書き写します。漢字や分からない言葉があると辞書を引いて調べながら書いていきます。
プロが分かりやすく書いている文章なので、文章の構成や表現力のバリエーションが自然と増えていきます。
書きながら文章に慣れていくのが目的なので、少々字が汚くても大丈夫!!続けていれば、高校生レベルの難しい漢字が書けるようになったり、語彙力もかなりアップします。
大人でも、記者やライター、ブロガーなどの仕事の人は、先輩の文章を書き写して構成を真似します。文章力を学ぶのに一番の近道なのです。
書写は自作の楽しい文章でやると続けやすい
書写の題材として、新聞だけでなく、好きな雑誌や本をコピーしてあげてもいいでしょう。時間があるなら、親が身近なできごとやウソ日記、子どもの経験などを題材にして短い文章を書いてあげると楽しい!
子どもが毎日続けやすい内容の文章を用意してあげるとよいですよ!
ちなみに我が家の場合、私の母が、子どもたちの大好きな「ポケモン」や「はたらく細胞」をネタにした文章を作ってくれました。ちょうどノートの1ページにおさまるボリュームになっています。
次男は国語力が低くやる気がないので、ひらがなばっかりのポケモン文章の書き写しから始めました。
長男は、超むずかしくて専門用語ばかりのはたらく細胞の文章を書き写していたので、学校で新しい漢字を習っても楽勝だそうです。
さすがにこんな文章を作るのは大変すぎるので一例として見ていただき、やりやすい新聞記事を切り取って、さっそく始めてみましょう。
書写を習慣にするには朝勉強がおすすめ
読書とともに、毎日の習慣にしたいのが書写です。
書写を習慣にするために最適な時間は「朝」。
朝勉強なら、夕方の学校の宿題や習い事にひびかないので習慣化しやすいです。朝勉強の上手な続け方はこちらの記事をご覧ください。
ただ、朝起きたばかりのときは手に力が入りにくく、きれいに書けないということもあります。字のきれいさは大めにみてあげて、文章を写して書くという練習を習慣化させることを大切にしてください。
新聞を切りとって、ノートを準備しておくだけでよいので、親の手間もかかりませんから、朝でも続けられるはずです。
国語力の伸ばし方を知れば、全教科で最強になれる
この記事で解説してきた3つの力
- 語彙力
- 読解力
- 文章力
を鍛えることで、少しずつ国語の文章題を理解して解くことができるようになります。
国語が得意な子はどんどん読書をさせて、この3つの力をきたえることで、自分の気持ちを言葉で表現することが得意になります。国語力は、算数の文章題の理解にも役立ちますし、すべての教科の成績アップに通ずるので、早いうちにトレーニングをしておきましょう。
ゆっくりと3つの力をトレーニングしながら、文章問題が一人でとけるようにサポートしていきたいですね。
読書や書写など家庭でできる工夫をとりいれつつ、国語力アップの環境を整えてあげましょう!!